はじめに
休職から復職せずにそのまま退職し、すぐに就職しない場合、社会保険に関する手続きや住民税の支払い等について、自分で行う必要があります。
今回、私自身も行う必要のある手続きについて、改めて確認してみました。手続きに漏れがないよう、注意点と併せて参考にしていただければと思います。
※以下の内容について、加筆修正する場合もあります。ご了承ください。
社会保険に関する手続きについて
健康保険
(1)国民健康保険に切り替えるか、
(2)これまで入っていた保険組合に任意継続で加入し続けるか、
(3)配偶者や子供の被扶養者になるか
を選択します。その際には、それぞれの保険料がいくらになるか確認するとよいでしょう。さまざまなサイトに計算式が出ていたりしますが、私の経験上、電話で問い合わせるのが一番早くて確実でした。また、国民健康保険の場合、世帯全員の所得から計算されるため注意が必要です。
なお、傷病手当金を受給している場合、国民健康保険に切り替えても、これまで加入していた保険組合から引き続き受給できるようです。詳細は、これまで加入していた保険組合にご確認ください。
【参考】資格喪失後も傷病手当金が受給できる条件
- 社会保険の被保険者期間が、継続して1年以上あること
- 退職日まで傷病手当金を受けている、または受けられる状態であること
[支給される期間]傷病手当金の受給期間満了まで
(東京都医業健康保険組合ホームページ、「任意継続の手引き」より)
(1)国民健康保険に切り替える場合
退職日の翌日から14日以内に、市区町村の窓口で手続きを行う必要があります。
【手続きに必要なもの】
- 退職日が証明できる書類
- 印鑑(認印でも可)
- 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
※手続きに必要なものは、市区町村によって異なることもありますので、ご確認ください。
(2)任意継続制度を利用する場合
加入要件:
- 退職日までに、継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること
- 退職日の翌日から20日以内に任意継続加入の手続きを行うこと
- 75歳未満であること
年金
厚生年金から国民年金に切り替える手続きを行います。国民健康保険への切り替え同様、市区町村の窓口で、退職日の翌日から14日以内に行う必要があります。
手続きの際には、退職日を証明できる書類が必要となります。退職日を証明できる書類には、離職票、健康保険喪失証明書、退職証明書などがあります。
【手続きに必要なもの】
- 退職日が証明できる書類
- 年金手帳
- 印鑑(認印でも可)
- 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
雇用保険
休職中に傷病手当金を受給していて引き続き受給する場合、失業手当の支給期間を延長することができます。つまり、働けるようになるまでは傷病手当金を受給し(最長1年半)、働ける状態になった時点で失業手当を受給できるということです。なお、健康保険組合の傷病手当金と、雇用保険の基本手当を同時に受給することはできません。
通常、失業した時に受給できる雇用保険の基本手当は、「離職した日の翌日から1年間」でもらいきる必要があります。しかし、働きたくても働くことができない正当な理由があり、離職後も30日以上働くことができない場合、働くことができなった日数分の受給期間を、最長3年間延長することができるのです。
【参考】基本手当の受給資格を得るための要件
・ 失業(退職)日直前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が合計で半年〜1年以上あること
・ 現在失業しており、かつ、すぐにでも働く意思があること(求職活動を行えること)
受給期間を延長する際の手続き
離職した日から仕事に就くことができない状態のまま30日が経過した翌日から、ハローワークで申請できます。手続きは、延長後の受給期間の最後の日までに行う必要があります(平成29年4月から申請期限が変更されました)。
【手続きに必要なもの】
- 受給期間延長申請書
- 離職票(1)
- 離職票(2)
- 認印
- 各種証明書(医師の診断書、傷病手当金支給申請書コピー等)
住民税の支払いについて
退職後、特別徴収(給与から天引き)から普通徴収(自分で支払う)へ切り替えられます。また、退職時期によって手続きが異なります。
1〜5月に退職する場合
住民税についての手続きは不要です。何月に退職しても、5月までの住民税が給与や退職金から天引きされ、会社がまとめて支払うようになっています。
6〜12月に退職する場合
退職後の住民税は、会社で特別徴収から普通徴収に切り替えてもらうのが一般的です。退職の翌月以降は、自治体から送られてくる納付書を利用して、自分で住民税を支払います。
※上記は、2019年8月時点での内容です。変更がないかどうか最新情報をご確認ください。
おわりに
手続きには、それぞれ期限があります。特に健康保険は、通院日までに手続きを行わないと、一時的に10割負担で通院医療費を支払わなければならないケースもあるようです。また単身世帯でない場合は、家族全員の保険料に影響を与えることもあります。十分に比較検討した上で手続きを行いましょう。
手続きの際に迷うことがあったら、少し面倒でも問い合わせることをお勧めします。私も必要な手続きは早めに終えて、休養やリハビリに専念できるようにしたいと思います。