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本来のスピリチュアルの意味を探る(後編)

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ヨーロッパにおけるスピリチュアル

 

ロンドン発のスピリチュアル

日本にセミナーに来るようになって、不思議な体験ができること、不思議なことが起こることが“スピリチュアル”と捉えられている日本の現状に驚きを隠せなかったというのは、ロンドン在住のヒーラーでスピリチュアルマスターでもあるMOMOYOさんです。日本に来て驚くことになったのは、おそらく日本のスピリチュアルが江原氏のいうスピリチュアルリズムとして広まったためかと思われます。

 

MOMOYO氏によると、ヨーロッパでは、宗教が政治を支配していたという時代背景もあり、人々のベースにスピリチュアルな考えがあるといいます。彼らにとって「スピリチュアルに生きる」とは、「不思議な体験をしたい」とか「特殊な能力を身につけたい」という意味ではないようです。

 

では、スピリチュアルに生きるとはどういうことなのでしょうか。それは「自分自身のネガティブなマインド(思考)である“とらわれ”から逃れ、日々“本来の自分”である“スピリット”に従って生きる」こと。自分の雑念や思い込みであるネガティブなマインド(思考)にとらわれず、真の存在である“スピリット”を感じ、“スピリット”を優先して生きるということだといいます。

 

ここでいう“spirit”の辞書的な意味の中で該当するのは、心、精神、魂などが考えられますが、おそらくそれらの言葉で説明し切れないニュアンスを含めて“スピリット”と呼んでいるものと思われます。

 

日本で混同された3つの職業

MOMOYO氏によると、日本では、サイキック能力者とヒーラー、スピリチュアルマスターという3つの職業が1つの括りになっているといいます。彼女の考えでは、それらの職業はまったく別物だとのことです。彼女のいうそれぞれの職業について、まとめてみます。

サイキック能力者

普通の人には見えない世界が見えたり、通常はアクセスできない世界(霊界)とコンタクトを取ったりする人、亡くなった人ともコミュニケーションを取ることができる人。

 

ヒーラー

“癒し”を人に施す人。その上で、宇宙の高次元の存在と、何かしらの契約を結び協力し合って、この世に存在素津人々を高次のエネルギーで癒す人のこと。

 

スピリチュアルマスター

自らのネガティブなマインドから完全にときは慣れ、本来の自分であるスピリットに目覚めたことで苦しみから逃れ、自分以外の人々を自分と同じように目覚めさせる人。

 3つの中で、スピリチュアルマスターが一番新しい言葉であり、日本でも広まりつつあるとされています。また、MOMOYO氏の主張から伝わってくるのは、サイキック能力者やヒーラーである前に、スピリチュアルマスターである必要があるということでした。理想的なサイキック能力者やヒーラーは、私たちの雑念や思い込みを客観視し、絡み合ったものを紐解いて、本来の姿であるスピリットに導く手伝いをしてくれる人です。

 

サイキック能力を使ったアドバイスやヒーリングを行う人は日本にも数多くいます。しかし、彼らの中には自身がスピリットに目覚めておらず、自分のネガティブなマインドを抱えたままクライアントと接している人がいるというのです。彼らは、エゴにまみれた高次元のメッセージによって、無意識にクライアントを支配したり、コントロールしたりしてしまうということになってしまうそうです。橋渡し役であるヒーラーやサイキック能力者は、その役割にいろいろな意味を見出したり、自分の願望を持ってはならないといいます。

 

つまり、これらの能力は、それを使いこなす人によって大きく変わり、人間性が大きく影響するということがいえます。そのため、イギリスのヒーラーやサイキック能力者は、かなりの時間をかけて、自分の中にあるネガティブなマインドを削ぎ落とす修行を積むことが普通なのだそうです。自分自身がネガティブなマインドにとらわれていては、自分以外の人を「その人が進むべき道」へと導くガイド役を務めることはできないという考え方が根底にあるということです。

 

イギリスにおけるその他の職業

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イギリスでは、心理学科にスピリチュアルに生きることをベースに考えた「スピリチュアル心理学」が存在し、心理療法士学科では「スピリチュアル心理療法士」を育てるという大学が増えているそうです。

 

プロになるには6年間の勉強と修行がプログラムに組み込まれ、その中で最も多いのが、自分の中にあるネガティブなマインドを削ぎ落とすということ。また、マインドの統計学についても学び、うつにかかりやすい生活スタイルや、精神的な病にかかりやすい家庭環境など、精神疾患の基礎知識についても身につけることになっているといいます。

 

プロになったスピリチュアル心理療法士は、市民病院などで多く雇われたり、学校を訪問して、子どもたちにスピリットとマインドについての講義を行い、ネガティブなマインドから脱出するレクチャーをするのだそうです。

 

おわりに

 

今回は、“スピリチュアル”という言葉について探るべく、日本とイギリスのヒーラーによる解説を参考にまとめてみました。これまで日本に広まったスピリチュアルは、スピリチュアリズムの影響が大きく、現代のイギリスの中には、本来の自分で生きることを大事にする考え方があるということがわかりました。

 

江原氏の解説の中に、“私たちがなぜ生まれて生きるのか、本当の幸せとは何かという真理を探究するようになった” とあります。元となる能力や考え方などは違っても、いずれも幸せに生きることを追求した考えであることが共通しているのではないかと思います。

 

日本におけるスピリチュアルは、いま新たな段階に入っています。それは現代のイギリスのスピリチュアルと共通した点が多いようです。私自身も、心身の健康を回復させるにあたり、“スピリチュアル”にずいぶん助けられた気がします。今後の“スピリチュアル”にも注目していきたいと思います。

 

参考図書:

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イギリス発 「本当のスピリチュアル」への階段 人生が好転し始める"覚醒"のルール