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精神科・心療内科での治療成果を振り返っていますか?【治療にもPDCAサイクルを】

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はじめに

 

精神科や心療内科で治療を受けているという方は、その治療や成果について振り返ることがあるでしょうか。治療の成果がなかなか現われない場合、治療方針や診断自体について、改めて振り返ってみる必要があるかもしれません。今回は、私自身の体験をもとに、自分なりの考えをまとめてみました。

 

なお、心療内科や精神科にかかる疾患は多数ありますが、今回は「うつ」と「双極Ⅱ型障害」の場合についての考えに限定したいと思います。

  

私と「うつ」と「双極Ⅱ型障害」

 

「不調」に対する考え方

私はいま、自分の状態についてこう考えています。「うつ病でも双極Ⅱ型障害でもなく、休職に至ったのは職場でのストレスによる疲れとエネルギー切れによるものだと。そして「休職に際して、心療内科にかかり、診断書を提出する必要もあったため、診断名は“抑うつ状態”とされている」と。

 

こういった考え方に否定的な方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでの治療と成果を振り返った結果としての私なりの答えです。少なくとも、いまの主治医はこの考えに近いようです。まず、すべての精神科医が同じ診断をするとは限らないということを、頭の片隅に置いておいたほうがよいかもしれません。

 

治療の成果を振り返る

私も数年前には、いまよりも状態が重く、精神的にもつらい毎日を過ごしている時期があります。双極Ⅱ型障害としての治療に臨み、薬を片っ端から試していきました。薬に敏感なこともあり、すべての薬を継続的に飲めたわけではありませんが、一年が過ぎた頃、一通りの薬を試し終わって治療をやめました。唯一、効果を感じたのは、非定型抗精神病薬のエビリファイです。ただ、それを飲んでいるからといって、根本的にはよくなっていないと感じていました。

 

「双極Ⅱ型障害ではないのではないか?」

 

治療を終えて感じた、正直な感想です。しかし、約1年の間で一通りの治療を終えて、自分なりの答えを出すことができたのは、治療中、自分なりにPDCAサイクル(※)を回していたからではないかと思っています。

※ Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)

  

主体性をもって治療に臨むことの重要性

 

疾患と薬についての知識をもつこと

今のところ、抗うつ薬は、昔からある内因性のうつ、“本当のうつ”といわれるものにしか効果がないようです。一般的には、原因がはっきりしているものや、ストレスなどによる一時的な不調には効かないとされています。休養したことによって症状が軽減したとしても、薬が効かないと、患者はうつ状態を繰り返すことになります。すると、今度は双極Ⅱ型障害へと診断が変わります。処方する薬の種類が変わり、リーマス(炭酸リチウム)などの気分安定薬を軸に、エビリファイなどの非定型抗精神病薬と組み合わせたりして処方されることが多くなります。そして医師はこう言います。

 

「双極性障害は、薬を一生飲み続けなければならない」

 

以前、製薬会社のマーケティング戦略についての記事を書きましたが、やはりその影響は大きいと思います。そして、それは一部の医師にも責任があると感じます。ただ、私たちに責任がないかと言えば、残念ながらそれは違うのではないかと思っています。

 

 

自分で医師や治療を選択すること

私たちには、自分で医師や治療を「選択する」自由があります。会社から主治医を紹介されたりすることもあるかもしれませんが、治療方針に納得できなければ転医すればいいのです。医者は“神様”ではありませんし、相性もあるかと思います。一度受診したからと言って、言われた通りにする必要はないでしょう。

 

ただし、その際には、治療に対する自分なりの考えをもっていないと判断が難しいかもしれません。この治療方針でいいのか、この先生でいいのかを判断するためには、その疾患や薬に対する知識をもっていることが大切です。

 

医師から指示された薬をひたすら飲み続けるだけではなく、一度立ち止まって、治療の成果を振り返ってみましょう。「あまりよくなっていない」と感じるようであれば、治療の仕方を再検討する必要があるかもしれません。

 

 

おわりに

 

診断名がつくと、どこかほっとすることがあります。どのように治療すればいいのか、方向性が見えてくるからです。しかし、一定期間の治療を行ったら、治療の成果を振り返るとともに、場合によっては診断自体を見直す必要があるかと思います。医師に遠慮せず、思ったことを聞いてみる勇気も大切です。

 

次回は、治療効果が現われなかったときや診断を疑う必要があるときなど、その後どうすればいいのか、私自身のケースをもとに考えていきたいと思います。