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「コンコーダンス」という言葉を知っていますか?患者としての治療スタンスを考える

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はじめに

 

私がリワークで復職支援をしていたとき、利用者の方の中に、自分が飲んでいる薬のことをあまりよく知らなかったり、主治医に言われるままに服薬したりしている方がいらっしゃいました。私は、このことにかなり驚きました。自分の身体に入るものなのに、言われたままで大丈夫だろうか、医者を信じ過ぎてはいないだろうかと、心配に思ったことを覚えています。

 

今回は、医療機関を利用して治療に取り組む際の“患者としてのスタンス”について考えてみたいと思います。

 

知識をもって治療に臨むことの重要性

 

冒頭のリワーク利用者の方の服薬に関することについてですが、本当に状態がよくないとき、薬について調べるゆとりがないというのはわかります。しかし、リワークに参加できているということは、ある程度リハビリが進んでいるということです。何のために飲んでいる薬なのか、それぞれの薬の効果や副作用くらいは把握しておいたほうがいいかと思います。薬の効果や副作用を把握していないと、自分の状態の変化が何によるものなのかに気づくことができなくなることがあるからです。

 

私自身の経験ですが、心療内科で処方された薬を飲んだとき、発熱し、首に湿疹が出たことがありました。主治医も気づかず、休日診療で内科を受診して風邪薬が処方されたのですが、よくなる気配がありません。もしや薬の副作用ではないかとよく調べてみると、そういった副作用が出るケースもあるということがわかりました。処方時に渡されていた「お薬の説明」には書かれていない副作用だったのです。

 

医師任せにせず、自分で調べることの大切さを実感した経験でした。これは極端な例ですが、例えば、日常的に眠気や身体のだるさなどがあるとき、それが症状によるものなのか、薬の副作用によるものなのかは判断する必要があります。単に症状を伝えただけでは医師も気づきにくいですから、日頃から自分の状態をよく見ておき、服薬後の変化に気づくことが大事です。

 

「コンコーダンス」という考え方

 

日本でも、コンコーダンスの考え方が重視されるようになっています。まずは、その意味について確認していきましょう。

コンコーダンス(Concordance)とは、英国で1993年ごろから発展してきた服薬や薬物治療に対する考え方。英国保健省と英国王立薬剤師会が共同で設置した Medicines Pharnership Group にて、服薬コンプライアンスの向上のために検討された。その際の定義は「服薬に関し患者の考えを尊重する話し合いの後に患者と医療者が到達する合意」。Marinker M. (1997) は「パートナーシップに基づき、患者と医療従事者間で疾患や治療について情報を共有した上で話し合い治療を決定し、そこには専門家としての患者の知識および意見が十分に考慮される」と説明した。

(出典:ウィキペディア)

「コンコーダンス」とは、『患者と医療者が同じチームの一員』と考える概念で、患者と医療者がパートナーシップに基づき、両者間で情報を共有し、対等の立場で話合った上で治療(服薬も含みます)を決定していくことを目指します。そのために、医療者は治療や服薬だけでなく、患者の価値観やライフスタイルなどを尊重し、感情的な側面や生活に関わる問題にも寄り添うことが必要とされています。患者もまた、医療者とよりよいコミュニケーションを築き意思決定していくことで、治療(服薬)に積極的に参加し、目標に向かって進んでいくことが期待されています。

(出典:くすりの適正使用協議会)

 

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昔は、薬や治療方法について調べる手段や情報そのものが少なく、医療者から言われたこと以外の情報を得ることが難しかったかもしれません。医療者の中には、丁寧に説明してくれる医師もいれば、自分の言うことは絶対だから、患者は言うことを聞いておけばいいという医療者もいたようです。

 

しかし、いまは時代が変わってきています。そもそも医療者も人間であり、言っていることが100%正しいとは限りません。患者自らが情報をもち、わからないことは医療者に聞いて疑問を解決し、納得して治療を進めていくことが可能です。短い診察時間の中でそれを行う場合、何でもかんでも質問していては時間が足りなくなってしまいますから、事前に自分で薬や治療方法についての情報を得て、可能であれば自分なりの考えや仮説をもっておくことが大切です。もし、こちらがそういったスタンスで治療に臨めない病院や医療者であれば、転医を考える必要があるかもしれません。

 

おわりに

 

皆さんは、自分が飲む薬について、その種類や効果、副作用まで把握しているでしょうか。まずはどのような診断のもとでその薬が処方されているのかということから把握しておくことが大切です。自分の身に何かあったときに後悔しないよう、日頃から主体性をもち、自分の意思で治療に取り組んでいるのだという意識が大切ではないかと思います。

 

本来のスピリチュアルの意味を探る(後編)

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ヨーロッパにおけるスピリチュアル

 

ロンドン発のスピリチュアル

日本にセミナーに来るようになって、不思議な体験ができること、不思議なことが起こることが“スピリチュアル”と捉えられている日本の現状に驚きを隠せなかったというのは、ロンドン在住のヒーラーでスピリチュアルマスターでもあるMOMOYOさんです。日本に来て驚くことになったのは、おそらく日本のスピリチュアルが江原氏のいうスピリチュアルリズムとして広まったためかと思われます。

 

MOMOYO氏によると、ヨーロッパでは、宗教が政治を支配していたという時代背景もあり、人々のベースにスピリチュアルな考えがあるといいます。彼らにとって「スピリチュアルに生きる」とは、「不思議な体験をしたい」とか「特殊な能力を身につけたい」という意味ではないようです。

 

では、スピリチュアルに生きるとはどういうことなのでしょうか。それは「自分自身のネガティブなマインド(思考)である“とらわれ”から逃れ、日々“本来の自分”である“スピリット”に従って生きる」こと。自分の雑念や思い込みであるネガティブなマインド(思考)にとらわれず、真の存在である“スピリット”を感じ、“スピリット”を優先して生きるということだといいます。

 

ここでいう“spirit”の辞書的な意味の中で該当するのは、心、精神、魂などが考えられますが、おそらくそれらの言葉で説明し切れないニュアンスを含めて“スピリット”と呼んでいるものと思われます。

 

日本で混同された3つの職業

MOMOYO氏によると、日本では、サイキック能力者とヒーラー、スピリチュアルマスターという3つの職業が1つの括りになっているといいます。彼女の考えでは、それらの職業はまったく別物だとのことです。彼女のいうそれぞれの職業について、まとめてみます。

サイキック能力者

普通の人には見えない世界が見えたり、通常はアクセスできない世界(霊界)とコンタクトを取ったりする人、亡くなった人ともコミュニケーションを取ることができる人。

 

ヒーラー

“癒し”を人に施す人。その上で、宇宙の高次元の存在と、何かしらの契約を結び協力し合って、この世に存在素津人々を高次のエネルギーで癒す人のこと。

 

スピリチュアルマスター

自らのネガティブなマインドから完全にときは慣れ、本来の自分であるスピリットに目覚めたことで苦しみから逃れ、自分以外の人々を自分と同じように目覚めさせる人。

 3つの中で、スピリチュアルマスターが一番新しい言葉であり、日本でも広まりつつあるとされています。また、MOMOYO氏の主張から伝わってくるのは、サイキック能力者やヒーラーである前に、スピリチュアルマスターである必要があるということでした。理想的なサイキック能力者やヒーラーは、私たちの雑念や思い込みを客観視し、絡み合ったものを紐解いて、本来の姿であるスピリットに導く手伝いをしてくれる人です。

 

サイキック能力を使ったアドバイスやヒーリングを行う人は日本にも数多くいます。しかし、彼らの中には自身がスピリットに目覚めておらず、自分のネガティブなマインドを抱えたままクライアントと接している人がいるというのです。彼らは、エゴにまみれた高次元のメッセージによって、無意識にクライアントを支配したり、コントロールしたりしてしまうということになってしまうそうです。橋渡し役であるヒーラーやサイキック能力者は、その役割にいろいろな意味を見出したり、自分の願望を持ってはならないといいます。

 

つまり、これらの能力は、それを使いこなす人によって大きく変わり、人間性が大きく影響するということがいえます。そのため、イギリスのヒーラーやサイキック能力者は、かなりの時間をかけて、自分の中にあるネガティブなマインドを削ぎ落とす修行を積むことが普通なのだそうです。自分自身がネガティブなマインドにとらわれていては、自分以外の人を「その人が進むべき道」へと導くガイド役を務めることはできないという考え方が根底にあるということです。

 

イギリスにおけるその他の職業

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イギリスでは、心理学科にスピリチュアルに生きることをベースに考えた「スピリチュアル心理学」が存在し、心理療法士学科では「スピリチュアル心理療法士」を育てるという大学が増えているそうです。

 

プロになるには6年間の勉強と修行がプログラムに組み込まれ、その中で最も多いのが、自分の中にあるネガティブなマインドを削ぎ落とすということ。また、マインドの統計学についても学び、うつにかかりやすい生活スタイルや、精神的な病にかかりやすい家庭環境など、精神疾患の基礎知識についても身につけることになっているといいます。

 

プロになったスピリチュアル心理療法士は、市民病院などで多く雇われたり、学校を訪問して、子どもたちにスピリットとマインドについての講義を行い、ネガティブなマインドから脱出するレクチャーをするのだそうです。

 

おわりに

 

今回は、“スピリチュアル”という言葉について探るべく、日本とイギリスのヒーラーによる解説を参考にまとめてみました。これまで日本に広まったスピリチュアルは、スピリチュアリズムの影響が大きく、現代のイギリスの中には、本来の自分で生きることを大事にする考え方があるということがわかりました。

 

江原氏の解説の中に、“私たちがなぜ生まれて生きるのか、本当の幸せとは何かという真理を探究するようになった” とあります。元となる能力や考え方などは違っても、いずれも幸せに生きることを追求した考えであることが共通しているのではないかと思います。

 

日本におけるスピリチュアルは、いま新たな段階に入っています。それは現代のイギリスのスピリチュアルと共通した点が多いようです。私自身も、心身の健康を回復させるにあたり、“スピリチュアル”にずいぶん助けられた気がします。今後の“スピリチュアル”にも注目していきたいと思います。

 

参考図書:

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イギリス発 「本当のスピリチュアル」への階段 人生が好転し始める"覚醒"のルール

 

本来のスピリチュアルの意味を探る(前編)

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はじめに

 

皆さんは、スピリチュアルというと、何を思い浮かべるでしょうか。ご先祖様や守護霊と交信をしてアドバイスをしたり、最近だと高次の存在にアクセスして声を聞いたりするということをイメージするかもしれません。いずれにしても、日本では少し不思議な世界のものとして受け取られることが多いように思います。

 

しかし、海外の映画などを見ていると、“spiritual”が少し違う意味で使われているような印象を受けます。神聖な気持ちになるとか、厳粛な雰囲気だとか、心が洗われるような状況で使われているような気がします。そこで今回は、スピリチュアルの本来の意味について探ってみたいと思います。

 

日本におけるスピリチュアル

 

英和辞書に見るスピリチュアル

【weblio英和辞典】

 (肉体的・物質的と区別して)精神(上)の、精神的な、(物質界のことと区別して)霊的な、聖霊の、崇高な、気高い、宗教上の、教会の  

【研究社 新英和中辞典】

  1. (肉体的・物質的と区別して)精神(上)の,精神的な (⇔physical).
  • spiritual enlightenment 精神の啓蒙.
  1. a(比較なし)(物質界のことと区別して)霊的な.

    b(比較なし)聖霊の.

    c 崇高な,気高い.

  1. (比較なし)[しばしば名詞の後に置いて] 宗教上の; 教会の.
  • the spiritual peers=the lords spiritual 聖職の上院議員.

精神そのものとしての意味、宗教的な意味、崇高さなどを表す意味があることがわかります。しかし、霊的な意味の中に、不思議な現象のことも含むのか、これだけではわかりません。

 

スピリチュアルブームからヒントを得る 

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日本のスピリチュアルブームの火付け役でもある江原啓之氏は、英国スピリチュアリスト協会の会員で、自ら日本スピリチュアリズム協会を設立しています。江原氏が説明しているスピリチュアリズムについて見てみます。

スピリチュアリズムの始まりは、1848年、アメリカのハイズビューという村にあった一軒の家で起こったポルターガイスト事件です。

その家には幼い姉妹がいました。頻発するラップ現象の中で、彼女たちはあることを思いつきました。ラップを使ってオバケと話そうというのです。

 

「オバケさん、もし本当にいるのなら私が手を1回叩くから、同じ数だけ叩いてね」

そう言って手を叩くと、「ピシッ」と答えが返ってくる。2回叩くと2回ラップ音がする。こんな具合に霊界との交信は始まったのです。

(中略)

その後もその不思議な現象は英国でさらに研究されました。その研究所は当時ケンブリッジ大学にあり、(中略)これらの研究によって彼らはスピリット、スピリチュアル・ワールドの存在を確信するにいたったのです。

 

それから、私たちがなぜ生まれて生きるのか、本当の幸せとは何かという真理を探究するようになったのです。これは人類にとっての偉大な福音となりました。

 

これらの霊交による思想をスピリチュアリズムと呼ぶようになり、私のようにその思想に従い、生きる者をスピリチュアリストと呼ぶようになったのです。

(中略)

また、英国にはカレッジ・オブ・サイキック・スタディーズといったスピリチュアルの学校もあり、その他ヒーリングの団体も多数あります。ヒーラーは1万人以上います。

 霊交による思想であるスピリチュアリズム、スピリチュアリスト、サイキック、ヒーラー、スピリチュアルという言葉が出てきていますが、彼の立場からは“スピリチュアル”も含めて“スピリチュアリズム”にまとめられているような印象を受けます。つまり、日本で広まったスピリチュアルは、スピリチュアリズムを中心としたものだということが言えそうです。なお、江原氏はイギリスのヒーラー団体にも所属しているようです。

 

日本でスピリチュアルに違う意味づけがされた理由

1つには、「spiritualism」(スピリチュアリズム)との混同が挙げられるでしょう。江原氏の説明にもあるように、スプリチュアリズムとは19世紀中頃にフランス人のアラン・カルデックが広めた降霊術のことを指すそうです。「spiritual」という英語の意味には、この降霊術のことは含まれていません。

 

もう1つには、「psychic」(サイキック)という言葉との混同があります。「spiritual」(スピリチュアル)と混同しやすい語ですが、語源はギリシャ語の「サイキ」で、元々は魂のことを意味していました。

1〈人が〉心霊作用を受けやすい; 超能力のある.
2〈現象など〉霊魂の,心霊の (⇔physical).

  • psychic phenomena 心霊現象.

3〈病気が〉精神的なものによる,心因性の.

余談ですが、3番目の意味に関連して、精神科は英語でpsychiatry、精神科医はpsychiatrist、精神保健福祉士はPsychiatric Social Worker(略してPSW)といいます。

 

後編では、現代のイギリスをにおけるスピリチュアルの考え方について、見ていきたいと思います。

 

 

参考サイト:スピリチュアリズムとは|江原啓之公式サイト

 

言えないことが不調につながる?休職することになったもう1つの大きな理由と「学習性無力感」

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以前、こちらの記事で不調から休職に至った原因についてまとめました。今回は、そこには書かれていないもう1つの重要なポイントについて、私自身の例をもとに振り返ってみたいと思います。

 

不調から休職に至ったもう1つの原因

 

休職に至った直接的な原因について、以前の記事にもあるように“逃げるのが下手”だったのはその通りです。自分が潰れてしまう前に、異動するなり辞めるなりすることも重要なことですが、もう1つ大切なことがあります。それは、“言葉で表現すること”です。私は言葉で表現せずに我慢した結果、それが身体的な症状として現われたのだということに気づきました。

 

最近の休職前に「言葉で表現しなかった」こと

思えば、言葉で表現しなかったことはいくつもあります。最近の休職を例に挙げて、振り返ってみます。

 1つ目は、職場の環境改善について、上司に相談しなかったことです。人員が不足していることなど要望を伝えたことは何度かあるのですが、難しいこととして受け入れてもらうことはできませんでした。違う人にも相談するなどして改善してもらうことが必要だったと思います。しかし私は、他のメンバーが言ってもだめだったことから、諦めてしまいました。

 

2つ目は、一緒に働く人に対しての要望を伝えなかったことです。リーダーに対して、周囲に対する態度や接し方などで気になることがあったのですが、「これまで多くの人が苦労してきた問題だし、言っても変わらないだろう。その人の性格だから仕方ない、聞き流すようにしよう。自分が感じ方や対応を変えるしかない」と、これもまた諦めていました。ただ、このことによって過去に体調を崩した人が何人かいたようなので、何らかの対策は必要でした。

 

3つ目は、自分の希望をリーダーに伝えなかったことです。上司に対しては、面談などで話をしていましたが、一緒に現場で働くリーダーに対して、今後どのようなことに取り組みたいかなど、あまり具体的な話をしませんでした。未経験の仕事だったため、はじめのうちは仕事を覚えることが中心で、かつ日々の業務に追われていたこともありますが、一方でこの職場に長くはいないだろうと思うようになっていたからです。辞めたい気持ちと、やりたいことに取り組むためにもう少し頑張ろうという2つの気持ちの間で葛藤し、中途半端な気持ちでいました。

 

自分の気持ちや考えをもっと表現できていれば、それが身体の症状として現われることはなかっただろうと思います。自分の心の声を聞かなかったから、違う形で訴えられたのだと感じます。しかし、言葉で表現する意思がなかったのではなく、簡単に表現することができなかったからこその結果でもあります。 

 

言葉で表現できなかった理由 

 

課題意識と「他人軸」的思考 

なぜ表現できなかったのかというと、自分が言葉で表現したときに、相手がどう反応するか、どのように思われるか、周囲にどのような影響を与えるのか、そういったことを他人軸で考え、気にし過ぎていたからではないかと思います。それは、よく言えば「配慮」かもしれませんが、相手の読めない反応に対する「不安」であり「恐怖心」だったのかもしれません。そして、いろいろなことに敏感に気づいてしまう気質だからこそ、課題意識もより多く生まれて、我慢することも余計に多くなりました。

 

言葉で表現できないのは、特に苦手な相手に対して見られる傾向です。今後、私が組織で働きたいかどうかは別として、相手がどのようなタイプの人であっても、そういった問題や要望、希望を“言葉で表現する”ことができない限り、組織で働くことは難しいだろうと思います。

 

「学習性無力感」の可能性

加えてもう1つ思うのは、伝えるのが面倒だとか、そこまでしなくてもいいかという気持ちがあったということです。精神的にも疲れ、「もういいや」とあきらめの気持ちが出てくると「自分さえ我慢すればいい」「目の前の仕事さえやればいい」と思うようになるのです。私のその感覚は、まさに「学習性無力感」だったかもしれません。

 

「学習性無力感」とは、心理学者マーティン・セリグマンが1967年に発表した概念です。抵抗することも回避することも困難なストレス状態に長期間さらされ続けると、そうした不快な状況から逃れようとする自発的な行動すら起こらなくなる現象をいいます。セリグマンらは、犬を用いた実験によって「自分が何をしても状況は変わらない」という思い=無力感が体験から学習されるものであることを発見しました。

 

学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness)とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。他の訳語に学習性絶望感、獲得された無力感、学習性無気力がある。

 

なぜ罰されるのか分からない(つまり非随伴的な)刺激が与えられる環境によって、「何をやっても無駄だ」という認知を形成した場合に、学習に基づく無力感が生じ、それはうつ病に類似した症状を呈する。1967年にマーティン・セリグマンらのオペラント条件づけによる動物実験での観察に基づいて提唱され、1980年代にはうつ病の無力感モデルを形成した。

 

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 以前の記事で挙げた“逃げるのが下手”なことにも、学習性無力感が影響しているかもせしれません。それを防ぐには、学習性無力感に陥る前に、日頃から言いたいことを“言葉で表現する”習慣を身につけ、必要に応じて“早めに逃げる”ことが大切なのだと思います。

 

「自分らしくない状態」から「本来の自分らしい状態」に戻すことが、患者に治療をもたらすという考え方【フラワーエッセンスの活用】

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ずっと気になっていたフラワーエッセンス。10年ほど前に人が使っているのを見ただけで、それが何なのかは全く知らなかったのですが、最近その情報をよく目にするようになり、試してみることにしました。今回は、そもそもフラワーエッセンスとは何なのか、どのように作っているのかについて、まとめてみたいと思います。

 

フラワーエッセンス開発者の言葉

“「自分らしくない状態」から「本来の自分らしい状態」に戻すことが、患者に治療をもたらす”とは、フラワーエッセンスを開発したエドワード・バッヂ博士の考え方です。その他、著書の中から彼の言葉を2つご紹介します。 

私たちはみな、激高したとき、突然の悪い知らせを受けた時に、

顔色が悪くなるということを知っています。

こんな些細な出来事でも体に影響を与えるわけですから、

長期間の魂と身体の対立は、もっともっと重大で根が深いに違いありません。

 

「なんじ、自身を癒せ」 Dr.Edward Bach

健康は私たちの財産であり、権利です。

健康とは魂と心と体が完全に調和した状態なのです。

このことはかけ離れた理想ではなく、

あまりに自然でたやすいために

そのような健康が実現しても

気づかないことが多いのです。

 

Dr.Edward Bach,1930  

「バッチフラワーセラビー ピュア」ホームページより

 

フラワーエッセンスとは

フラワーエッセンスは、フラワーレメディとも呼ばれ、一言でいうと、花のエッセンスのエネルギーを水に転写させたものです。アロマセラピーで使われるエッセンシャルオイルとは違い、植物の抽出成分などの物質的なものは含まれていません。

 

フラワーエッセンスの整ったエネルギーが、私たちの潜在意識に働きかけ、エネルギーの歪みを整えてバランスを取り戻し、本来の自然な状態へと戻してくれます。また、人生の中で得たトラウマやショック、悲しみや、満たされない気持ちなど、これまで手放せなかった感情の開放を助けてくれる癒しのエッセンスでもあるのです。

 

花にはそれぞれ異なるエネルギーの性質があり、さまざまな感情の問題に対応することができます。イギリスでは、エネルギー療法として知られていて、医薬品のように身体的な病気や病状に直接働きかけるものではないそうです。

  

フラワーエッセンスの始まり

フラワーエッセンスは、ホメオパシー医療の分野で世界的に貢献したイギリスの細菌学者、免疫学者であり、医師でもあったエドワード・バッチ博士(Dr. Edward Bach)によって1930年代に開発されました。

 

博士は、患者の訴えに耳を傾けるうちに、真の病気の原因は感情や心の乱れにあると考えるようになります。人々の性格や心の在り方が、健康状態に影響を与えていることに気づいたのです。そして、自身で新しい治療法を模索するようになり、野生の植物に、心や感情を癒す不思議な力があることに注目します。

 

その後、20年以上にわたる研究の末、フラワーエッセンスによる治療法にたどり着き、38種類からなるバッチフラワーレメディを完成させました。博士の理論である“自然の中から新しい治療体系を確立する”という考えが、フラワーエッセンスを生み出すことになったのです。いまでは、世界中でさまざまなフラワーエッセンスが作り出され、愛用されているそうです。

 

フラワーエッセンスの作り方

花のエネルギーの転写方法はさまざまで、開発者によって異なる方法で転写されているようです。最も古典的でオーソドックスな方法には、1930年代にエドワード・バッチ博士によって開発された「太陽法」と「ボイル法」があります。特に「太陽法」は、現在でも多くの開発者によって使われている方法ということで、今回は「太陽法」についてご紹介したいと思います。

  1. とてもよく晴れた日の朝9時前、最も美しく咲いているピーク状態の花の花弁を摘み取ります。
  2. 摘み取った花を、湧水を入れたクリスタルか陶製のボウルに浮かべます。
  3. その花を頂いた大地にボウルを置き、2~4時間太陽光にあてる事で、花のエネルギーを湧水に転写します。
  4. 花を取り除いた湧水に、同量のブランデーを加えます。これが、母液となります。この母液は、市場に出されることはありません。

 

これらの方法で作られた母液2滴を、30ミリリットルのアルコールや酢等の保存液に対してたらしたものが、ストックボトルとして市場で販売されているものです。作り方や濃度から考えると、物理成分としての花は、入っていないと言ってもいいでしょう。まさに成分ではなく花のエネルギーの水滴、それがフラワーエッセンスなのです。

 

(パビットラによる「フラワーエッセンスの基本」より)

 

フラワーエッセンスを使い始める

今回購入したのは、バッチフラワーレメディというブランドのものです。バッチ博士が開発した「太陽法」や「ボイル法」で作られているようです。また、アルコール不使用で、ブランデーではなく、植物性のグリセリンを使用していないものを選びました。

 

現在の自分の感情や精神状態を“38種類のネガティブな指標”から探し出し、対応するレメディを選びます。私が選択したのは、「ワイルドオート」で、ネガティブな指標は“人生の方向性が見つけられない、迷い、自分の願いがはっきりしない”です。

 

f:id:feelhappynow:20190830144151j:plainバッチフラワーレメディ ワイルドオート 10ml

人生の曲がり角に立って、迷っている人のためのフラワーエッセンス。実行しようという意欲はあるのに、その意欲を注ぐ場所が分からず「何をしたらいいのか」「何を選んだらいいのか」がわからなくなっている状態のとき、自分が本当にやりたいことや願望は何なのかを見つけられるよう手助けしてくれます。目標がはっきりすると、決断すべき時に決断し、自信を持って前に進めるようになり、自分の能力を中途半端にしない高い目標の実現に向かいます。

 

これを1回2滴、1日数回、水や飲み物に入れて飲みます。匂いは特にありませんでした。

フラワーエッセンスデビューの一つ目として、まずはこれを使ってみようと思います。

 

参考サイト:

フラワーエッセンスとは|フラワーエッセンスアロマ通販アンシェル

フラワーエッセンスとは | ベセスダホメオパシーショップ

 

「復職だけがすべてではない」と考えることから始める復帰への道

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復職に対する一般的な考え方とは?

 

初めての復職 【私の場合】

私が初めて休職をしたときは7ヶ月で復職したのですが、戻る前に違う選択も検討したことがあります。それは、リハビリを兼ねて勉強していたアロマセラピーとリフレクソロジーの仕事に就くことです。最終的には、アロマセラピーは趣味程度に、リフレクソロジーはお金を払って施術を受ける側がいいという結論に至ったので、仕事にすることはありませんでした。しかし、視野を広げて元の仕事に戻ることだけがすべてではないと考えられたことによって、心にゆとりが生まれたように思います。

 

復職のきっかけは、あるとき急に仕事に戻りたいという意欲が高くなったことでした。十分な休養と、自分なりのリハビリができた結果だと思います。人事に連絡すると、役員との面談が設定されました。休職に至った要因の一つが直属の上司2人だったからです。もちろん、その上の上司である役員や周囲に相談しなかった私にも問題があったと深く反省しました。その役員は理解のある方で、復職と同時にマーケティング部から事業企画部に異動することを提案してくれました。同じミドルオフィス間での異動です。異動後の部署では、はじめのうちは上司のアシスタント的な業務から始めました。Excelに向かうだけでも目眩いがしましたが、そのくらいの単純作業でちょうどよかったと思います。

 

復職に対する固定観念

復職というと、まずは元の職場に戻ることが一般的とされています。確かに元の職場環境でやっていけるようになることは、自分にとっての自信につながるでしょう。そのために、リワークでは疾病教育や認知行動療法などの心理療法や個人で行うオフィスワーク、集団で行うグループワークなどが実施されるわけです。しかし、本当に元の職場に戻らないといけないのでしょうか。

 

リワークのメンバーさんの中に、問題のある先輩からパワハラなどを受けていて、それでも復職しなければならないという考えに固執しているように見える人がいました。その先輩と上手くやっていくことにフォーカスしていたのです。確かに相手を変えることはできないですから、自分が変わるという考え方は正しいと思います。しかし、自分がどう変わったところで、相手の人間性はそう簡単に変わるものではありません。私も経験がありますが、どんなに相手が変わっても、節々でやはり変わらないその人の本質的な部分を感じたり、どんなにストレスを受けないように努めたりしても、限界があると感じる場面が出てくるのです。その場合は、その人から離れるしかないでしょう。

 

復職に対する考え方を見直す

 

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元の職場に戻らないことは「逃げ」ではない

問題のある人や環境から離れるために、異動を希望したり、転職したりすることは、人によっては「逃げ」だと感じたり、「ダメな自分」だと思うかもしれません。しかし、そういった先輩や上司がいる職場や、仕事の進め方や業務量などに問題のある職場では、大体の場合、以前にも同じような被害に遭っている人がいるものです。その職場環境にテコ入れをするか、自分が動くかしかありません。それは「逃げ」ではなく「避難」です。

 

そうはいっても、中には問題のある職場で上手くやっている人もいるかもしれません。もちろん、上手くやっていくスキルを身につけることも大切なことです。しかし、同じ環境にいても感じ方は人それぞれ違います。何も気づかず平然としていられる鈍感な人がいる一方で、HSPのように敏感な人は、その職場の問題点をいち早くキャッチして葛藤することもあるでしょう。ある程度は順応する努力をしたとしても、本当に無理だと思ったら、身体や精神に影響をきたす前に、避難することも必要なことだと思います。

 

復職以外の選択肢を持つこと

リワークを卒業する人の多くは、元の職場に戻ります。しかし、中には休職を繰り返してしまう人もいます。期限などがあり、休養とリハビリが十分ではなかったのかもしれませんし、そもそも自分に合わない職場で無理をし続けているのかもしれません。そういった場合は、自分に合った仕事や環境を選んでいく必要があるでしょう。

 

少数ですが、自分の中で転職を前提に元の職場に戻る人、退職をして転職する人、退職後に障害者雇用枠の求人を探す人もいます。決して悪い選択ではないと思います。終身雇用の時代は終わりました。復職に際しても、柔軟な考え方を持つことが大切です。いまの職場がすべてではないのです。最終的に元の職場に戻ることを選んだとしても、他の選択肢の可能性について考えることは、決して無駄にはならないでしょう。

 

体調がある程度回復してきたら、休職に至った原因を振り返って対策を立てるだけではなく、生き方そのものについて考える時間を作ってみてはどうでしょうか。プライベートも含めて、自分が何をしたいのか、どのような生き方をしていきたいのか、改めて考えるよい機会ではないかと思います。

 

リハビリには、クララにとってのハイジのような存在が必要なこともある

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はじめに

 

「アルプスの少女ハイジ」の感動シーンの一つ。動画でそれを改めて観たのですが、最初に観たときは、かなりドキッとしました。まるで自分に言われているような気がしたからです。しかし不思議なことに、いま観るとハイジに励まされているような気持ちになります。クララにとってのハイジのような存在は、リハビリ期には大切なのだと感じました。そこで、今回はその名シーンを振り返ってみます。

  

「アルプスの少女ハイジ」の名シーンを振り返る

 

ハイジがクララを叱咤激励する 

ハイジ:

もう少し頑張らない?ねえ、クララ。

 

クララ:

イヤよ、おじいさんだってゆっくりやりなさいって、おっしゃったじゃない。

それにダメなのよ、この脚。ハイジが言うみたいにすぐには立てないんだわ、きっと。

 

ハイジ:

クララのばか!何よ意気地なし!一人で立てないのを脚のせいにして!脚はちゃんと治ってるわ!クララの甘えん坊!怖がり!意気地なし!どうしてできないのよ!そんなことじゃ、一生立てないわ!それでもいいの?

クララの意気地なし!もう知らない!クララなんかもう知らない!

 

そして、ハイジが走り去った後、クララは何もつかまらずに立ち上がるのです。

 

クララが立てなくなった理由について

クララの病気については諸説あるようですが、原作の中では「転換性ヒステリー」とされているそうです。ヒステリーは身体表現性障害の一つで、現在では転換性障害と呼ばれています。 

身体表現性障害とは、心理社会的要因が引き金となって、身体疾患のような症状が出現するものです。その症状のために、日々の生活を送るのが苦しくなっている状態を指します。

 

子どもの場合、身体的にも精神的にも未熟なため、心理社会的なストレスを自覚できず、しかも言葉で表現しにくく、行動や身体症状になって現れやすいのです。一般には年齢が高くなるにつれて患者数は増え、男性よりも女性の患者さんのほうが多く2倍にも上るといわれています。

 

診断は身体的な疾患が認められないことが条件です。その上で、あたかも身体疾患を持っているような症状が認められます。たとえば、何らかのストレスや心理的な要因が引き金となって、運動機能や感覚機能が損なわれています。

 

(出典:日本小児心身医学会ホームページ)

 

クララの場合、きっかけとなったのは両親の離婚でした。母親が家を出て行くとき、クララが母親の名前を呼びながら後を追って玄関の外まで出て行った際に、転んでしまったそうです。しかし、母親は振り返ることもなく去ってしまいます。

 

それ以来、クララは立てなくなるのですが、それは母親に見捨てられた経験により、「精神崩壊を防ぐために、これ以上、見捨てられることは受け入れられない」という無意識からの非常事態宣言によるものだと言われています。そして、「立てない限りは周囲が自分を見捨てて去っていくことはない」と無意識に思い、長期にわたる車いす生活が始まったのだそうです。

 

 回復するときに必要な存在について

 

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叱咤激励してくれる人は貴重な存在

不調なときにこのように言われたら、かなりつらいと思いますが、リハビリ中になると励ましのメッセージのように受け取ることもできます。きつい言葉に思えるかもしれませんが、ハイジはクララの状況をよく把握した上で、愛をもって言っています。あなたの近くには、ハイジのような人がいるでしょうか。それは友人かもしれないし、家族、恋人、医師、看護師、作業療法士、デイケアスタッフ、事業所のスタッフ、あるいは上司や先輩かもしれません。

 

孤独なリハビリ期に、単に共感したり甘やかしたりするだけではなく、ときに叱咤激励し、厳しく接してくれる人の存在は貴重だと思います。近くで見守る側にとっては、意外と共感だけするほうが楽であり、厳しく接するにはかなりエネルギーを必要とするものです。厳しく接すると言っても、この場合は、自分の価値観の中にある基準と比べて相手を否定するのではなく、相手のことをよく見て考えて、本人の力を信じて愛情をもって指摘することを指します。

 

回復の時期が自分でわからないこともある

長い間、闘病していると、自分で回復の時期がわからなくなってしまうこともあります。例えば、うつ病の治療の場合、適切な薬物療法と十分な休養に始まり、認知や感情的反応などの心理的要因や、環境調整などの社会的要因にアプローチしていきます。そして、生活リズムがある程度整ってくると、デイケアやリワークデイケアへの参加を勧められることもあります。

 

リワークデイケアに参加されている方を見ていると、参加開始から3ヶ月を過ぎた頃から状態がよくなる方が多くいらっしゃいました。しかし、その後かなり回復して復職が近くなっても、中には最後になかなか踏み出せない人もいるのです。休養期間が長ければ長くなるほど、その傾向が見られるようです。

 

“人”という社会資源を活用する

そういったときには、第三者の視点や意見が役に立ちます。特に回復したいという気持ちが弱くなってしまったときや不安が強まったときなど、背中を押してくれる人の存在が必要なこともあります。また、デイケアなどのリハビリを目的としたコミュニティに入っていると、同じような状況にある人の存在に励まされることも多々あるでしょう。自分と似た疾患をもつ人がどのような変遷を経て回復に至ったのかを知ることで、回復時期の目安や、具体的にどのようなことをすればいいのかがわかります。人も社会資源の一つです。有効に活用していくことが大切です。

 

おわりに

 

人は、厳しい言葉よりも優しい言葉のほうが受け入れやすいものです。長い間、そういった状態に慣れていると、余計にそう感じるかもしれません。しかし、本当の優しさを考えたとき、愛情にもとづいた厳しさのほうが、結果的には優しさにつながっているということもあるのです。気づかなかった視点を与えてくれて、目が覚めることもあるでしょう。

 

そう考えると、自分にとっての理解者がいかに大切かということがわかります。それは必ずしも医療や福祉の専門家である必要はないかもしれません。自分の状況や疾患について、よく理解してくれている人であれば、適切なアドバイスをしてくれるのではないかと思います。時には、第三者の考えや意見に耳を傾ける姿勢も大切にしていきたいですね。

 

悩みをつくっているのは自分だということに気づいたら、悩むことはなくなるという話【適齢期を過ぎた独身編】

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 はじめに

 

少しスピリチュアルな表現になりますが、私は固定観念にとらわれず、どのような自分であっても“しあわせに生きる”ことが、自分の人生における一つの課題だと感じています。そのために、さまざまな試練が目の前に現われているのだと真面目に考えています。

 

実際のところ、そんな自由な自分になれたとしたら、悩みというものは全くなくなってしまうのではないでしょうか。今回は、私たちが固定観念を強く持ってしまいがちなことについて、それをどう乗り越えればよいのか、例を挙げてお話したいと思います。

 

古い世間の常識から自由になる

 

結婚と離婚に対する世間の価値観

私は、アラフォーになってもまだ独身でいます。なぜかと聞かれたら、自分の中にはその答えがあるのですが、世間の人はそう簡単には納得しないでしょう。適齢期になったら、結婚するのが当然だと思っている人が圧倒的に多いのです。

 

私自身、30歳を過ぎた頃から親や親戚にしつこく聞かれたものですが、その話には触れないで欲しいと頼んだところ、諦めてもらえたのか、直接私に話すことはなくなりました。親だけではありません。友人との間や職場でも、結婚をしていないと、なぜか居心地が悪いときがあります。世間一般の常識というのは、それほど怖いものなのです。独身でいること、あるいは晩婚であることも、人生の選択の一つとして尊重される日がやってくることを願うばかりです。

 

反対に、離婚に対しては世間の理解が進んでいるような気がします。離婚を選ぶ人が多く、必然的に世間の常識が変わらざるを得なくなったと言った方が正しいかもしれません。それでも、中には離婚した自分に対して、自分はダメな人間なのだと思ってしまい、苦しんでいる人もいるようです。

 

それでも「人の価値」は変わらない

 

自分で自分の価値を下げないこと

世間の常識から外れると、とかく自分がダメな人であるとか、欠陥があるとか、人と違うことをマイナスに捉えがちです。でも、本当にそうでしょうか。結婚しないことや結婚が遅いこと、あるいは離婚することで、人の価値は変わってしまうものでしょうか。そのように考えることは、周囲や世間の目を気にして、自分の価値を自分で下げることになってしまう気がしてなりません。

 

人は人、自分は自分と考え、人生の選択も自由であると思えたら、私たちは悩みや苦しみの一つから解放されるのではないかと思うのです。それは簡単なことではないかもしれませんが、まずは自分自身が強く思うこと、そして宣言したり、そう思っている自分として、堂々と振る舞うことで、周囲の見方も変わってくるかもしれません。

 

周囲に理解してもらう努力も必要

私の場合、現段階では家族や親戚、身近な友人はなんとかクリアしています。世間の常識から外れた自分であっても、自由にしあわせそうに生活していたら、周囲はそれがその人のスタイルだということを認めてくれるようになってくるでしょう。

 

その過程において、どうしても理解してもらえず干渉してくる人がいたとしたら、しばらく距離を置いたりすることも必要かもしれません。また、それが自分の親の場合、心配して言ってくることもあります。はじめのうちは理解してもらえなくでも、自分の考えを伝えるなど、そのことについて何らかのコミュニケーションを取るだけでも、少しは安心もらえるのではないでしょうか。

 

おわりに

 

今回は、結婚や離婚を例に挙げ、人の価値は変わらないという話をしましたが、それは他のことにも当てはまります。例えば、うつなどで休職したり退職したりすると、家で休養していること、精神科や心療内科に通うことなどについて、周囲に理解してもらえないケースもあるかと思います。

 

そんなとき、自分が価値のない人間だと思うことはないでしょうか。決して、自分で自分の価値を下げないようにしましょう。いま置かれている状況は、自分にとって必要なことなのです。私たちは、どんな自分であっても人としての価値は変わらない、価値ある人間であるということを、どうか忘れないでください。

 

悩みをつくっているのは自分だということに気づいたら、悩みはなくなるという話【過去のつらい記憶編】

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事実をどのように受け止めるか

 

人や立場によって異なる受け止め方

例えば、私が自分のことを“毒親育ち”だと思っているとします。それは、私が過去の記憶をたどり、事実をもとに検証した結果です。でも、その事実は、誰から見ても同じように見えるものなのかはわかりません。その当時、同じ状況にいたとしても、それをどのように受け止めるかは立場によって異なるでしょう。そして、仮にそのとき私のことを“毒親育ち”だと思ったとしても、後からそれを振り返ったとき、その事実に対する認識は、人によって異なる可能性もあるのです。

 

つまり、物事の捉え方、認識は変えられるのと同時に、過去の記憶も変えられるということがいえるのではないでしょうか。認識も記憶も、自由自在なのです。

  

1つの事実に対して複数の見方をしてみる

自分が“毒親育ち”だというとき、その事実に対していくつかの見方をすることができます。1つ目は、親に対して感じていた別の側面に目を向けることです。それは、親にも毒親でない側面があったということ。毒親育ちと言うと、つらかったことばかりにフォーカスしてしまいますが、そうでないときもあったのです。親と過ごして楽しかった時間、しあわせを感じていたときもあったし、愛されていると感じることもたくさんありました。

 

2つ目は、親の立場を理解することです。親は、心配し過ぎるが故に、よかれと思って自分の価値観で子どもをコントロールしようとしてしまったのだと思うこともできます。親も人間です。未熟な部分があったり、不安で、自信がなかったりしたのかもしれないとも思います。あるいは、自分が親にされてきたことを、無意識に同じように自分の子どもにしていたということもあるかもしれません。親の気持ちを想像していると、不思議と感謝の気持ちが出てくることもあります。

 

3つ目は、そういった経験を通じて、私自身が学びの機会を得ることができたということです。親が毒親でない人にはわからない経験をすることで、子育てにおいて大切なことを、自分が親になる前に学ぶことができたのです。また、同じような経験をした人の気持ちも理解することができます。繰り返してはならないこととして、人に伝えることもできるでしょう。

 

視点を変えると選択肢が増える

 

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つらい経験を別のものに変えることができるか

過去に、相手に心ないことを言われたり、暴力を振るわれたりして、それがいまも記憶に残っていて思い出すとつらいとき。例えば、当時の相手は、何かつらさを抱えていて、吐き出すところがなく、自分にそのように当たってしまったのかもしれない。不器用で表現の仕方がわからなかったのかもしれない。自分のことを憎んでいたのではなく、羨ましかったのかもしれない。聞いて欲しかったのかもしれないし、理解して欲しかったのかもしれない。そのときの状況を、高い視点から客観的に見たら、どのように見えるでしょうか。その事実に対して、別の視点で捉えることで、新たな見方ができるかもしれません。そして、相手を許すこともできるかもしれません。

 

それを簡単なことだと思うのか、難しいことだと思うのかも自分次第だと思います。自分の経験はそんなに軽いものではないのだと、そこから抜け出せずにいつまでも相手も恨み続けることもできるし、不幸自慢をするかのように、人に話し続けて同情を求めることもできるでしょう。でも、その思いは変えることもできるのです。

 

自分にとって不要な記憶は消えることもある

いまの私は、過去につらいと感じていた経験を思い出しても、つらいと思うことがなくなりました。「こんなことがあってさ」と、ネタにして笑えるまでになったのです。つらかったことを思い出したとき、当時の自分の気持ちになってつらくなるのではなく、その様子を第三者的な視点で眺めていると、違った見方ができるようになります。そうやって消化していくと、中には思い出さなくなる記憶もあります。つらかった記憶自体が消えてしまうのです。

 

その一方で、学びとして忘れない記憶もあります。自分がされて嫌だったことを人に対してやらないように、1つの事実として記憶しています。しかし、そこに感情はありません。

 

前に進んでいくために

 

記憶はいくらでも変えることができると思っています。自分が心地よいと思えるように、自分の都合のいいように書き換えてしまってもいいのです。それによって、誰にも迷惑をかけることはありません。自分が悩みにとらわれることなく、前向きな気持ちでいるために、記憶や認識は変えられるし、変えた方がいいこともあります。

 

「私の気持ちやつらさなんて誰にもわからない」と思う方の気持ちもよくわかります。でも、その見方を変えることで悩みを解消する方法もあるのだということを、心の片隅に置いてみてください。そして、無理せず自分のタイミングで、その事実を見直してみてはいかがでしょうか。必要であれば、カウンセリングを受けたり、身近な人に聞いてもらったりしながら振り返ってみてもいいかもしれません。

 

今回は、私の例を挙げて書いてみましたが、状況は人それぞれ違うかと思います。少しでも参考になることがあれば幸いです。

 

頭蓋骨に働きかけて頭痛が解消される!?効果のあった3つの方法

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はじめに

 

頭痛が続いてなかなかよくならないことは、ありませんか?気圧のせいなのかPMSなどのせいなのか、原因は不明。ストレスやデスクワークが原因ということも。痛み止めを飲むと一時的によくなけれど、効き目が切れるともとに戻ってしまう頭痛。そこで、自分でできる頭痛ケアを実践し、実際に効果のあった方法をシェアしたいと思います。

 

頭痛には、偏頭痛と緊張性頭痛がありますが、今回は緊張性頭痛に対して、頭蓋骨に働きかけて緊張を緩める方法を3つご紹介します。 

 

頭痛と頭蓋骨との関係について

 

緊張性頭痛とは?

緊張性頭痛では、後頭部から首筋を中心に頭全体が締めつけられるような痛みが長時間続きます。ストレスや同じ姿勢を続けることなどで肩や首の筋肉が凝り、付近の血管が過度に収縮。神経が刺激されて痛みが発生します。一度頭が痛みだすと、筋肉や神経がさらに緊張し、痛みが増幅するという悪循環が起こります。緊張性頭痛の場合は、筋肉を緩め血行をよくする整体やリラクゼーションが効果的だとされています。

  

頭蓋骨の種類と構造

頭蓋骨は一つでできているとイメージしがちですが、頭部には全部で15種類23個の骨があります。脳を守る脳頭蓋と呼吸器・消化器系の入り口で眼を収める顔面頭蓋に分かれ、脳頭蓋は無対の前頭骨後頭骨蝶形骨、篩骨と有対の頭頂骨側頭骨の8個からなっています。そして、それらは縫合と呼ばれる骨と骨とがかみ合って密着する結合様式によって連結しています。

 

身体はあらゆる部分が筋肉と腱・骨・関節でつながっていて、そのバランスが崩れてしまったときに凝りや痛みとして表面化します。頭・首・肩は連結しているため、当然ながらお互いに影響を及ぼし合います。また脳に近い分、その痛みや辛さも際立ってしまうのです。

 

身体に力が入っていたり、寝てもリラックスしていない人には頭の治療が有効とされています。全身の緊張を解いて、リラックスすることができます。

 

実践してみる

 

前頭骨の縫合を緩める

前頭骨は1枚ですが、生まれたときは2枚あり、真ん中に前頭縫合があります。おでこの真ん中を触ると、縦にへこんでいる場所があり、それが縫合部分です。縫合箇所を横向きに擦ります。擦る時は、タオルなどを当てるとやりやすくなります。ポイントは強く押さないことです。徐々に前頭筋が緩んできます。

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後頭骨の縫合を緩める

頭頂骨と後頭骨(オレンジの矢印)、両サイドの側頭骨と後頭骨(黄色の矢印)、2つの縫合を緩めます。それぞれの骨の間をまたぐように縦に擦ります。はじめのうちは見つかりにくいかもしれませんが、縫合箇所は少しへこんでいますので探してみてください。同じくタオルなどを使うとやりやすくなります。

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耳を引っ張り、骨の歪みを取る

耳は、側頭骨という骨とつながっています。そして、両サイドの側頭骨の間に蝶形骨があります。その骨が上手く動かないと歪みが起き、筋肉の緊張が起きるのです。

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耳の内側にある小さな出っ張り(耳珠)の真横あたりをしっかり掴んで外側に引っ張ります。その際、少し前に巻き込むように、側頭骨を引っ張るイメージで行います。その際、腹式呼吸を意識して鼻から大きく吸い、ゆっくりと鼻から吐きます。蝶形骨と横隔膜は筋肉でつながっているため、さらに引っ張られる感覚を得られます。呼吸を繰り返し、1分程度続けてください。首の動きもスムーズになっているかと思います。確認してみてください。

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おわりに


今回は、頭蓋骨に働きかけて筋肉の緊張を取る方法を3つご紹介しました。縫合を緩める手法は、プロの整体師などが行なっているやり方です。自分でやるには少し難しいかもしれませんが、実際にやってみると痛みがなくなったり、軽くなることが多いです。これだけでは引かない痛みをあるかもしれませんが、一つの方法として参考にしてみていただければと思います。